ハナハナ エッセイブログ

  • モネの睡蓮(4)

    なぜこうも惹かれるのか?絵の抱く抒情故だろうか?

    私自身、昔から抒情的なものが好きだった。

     

    戦後、上野美術館に初めて外国の名画展が開催され本物の絵画に触れた。10代のとき。(戦時下では外国の物、美術も、文学も、言葉さえ、全て封じられ、禁じられた)

     

    会場の中程で、動けなくなってしまった一枚の絵があった。

    まさに魂を吸い寄せられた、という状態だった。
    それは大きな風景画でコローという名を記憶した。
    絵のことはなにも知らなかった。ドガも、セザンヌも、ゴッホも、ルノアールも、画集なども目にさえ触れることがなかったのだ。

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    のちに、その風景画は抒情詩的な情緒性を感じさせ、印象派に影響を与えたバルビゾン派の画家。

    ジャン=パティスト・カミユ・コローと知った。

    私にとって同じく心の琴線に触れるなにか、モネも共通するところがあるのかもしれない。    (終)