ハナハナ エッセイブログ

  • モネの睡蓮(3)

    昨年、無理な時間を割いてまた此処を訪れたのはその永遠の静寂に身を置きたかったから。

     

    モネはこう書き遺している。

     

    「仕事に疲れきった神経は、そこで淀んだ水に佇む風景に癒されるであろう。そしてこの部屋はここで過ごす者にとって花咲く水槽の真ん中で、安らかな瞑想を行うための隠れ家となるであろう」

     

    1914年〜1918年に及んだ戦争の翌日フランスに「睡蓮」を寄贈することによって、モネはパリの人々に瞑想へと誘う安らぎの場を提供したかったのだという。

    街の喧騒との隔たりの場として此処を創りたかったようだ。

     

    やはり、そこは確かな安息の場であり、浮世から隔絶された空間なのである。

     

    機会があればまた訪れたい場ではある。    (続)

     

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