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竹宮惠子(漫画家・京都精華大学学長)

  • 竹宮惠子(漫画家・京都精華大学学長)

    花村えい子先生という漫画家をイメージするとき、悲しそうな少女、寂しそうな優しい少女を思い浮かべる方が大変多いかと思います。でも!ひとたび会ってお話をすると、全く別の絵柄が頭に浮かんでくるのです。頑固だけど可愛いおばあちゃんが、周りの人の忠告にもめげず、信じたことをガ―ッとまくし立てるシーンとか。そして、そのおばあちゃんは、いつも粋に着物を着こなしている…実際にそういうコメディも描かれるのですが、やっぱりどうしても「涙の少女」を思い浮かべてしまいますよね。

    花村先生は、もちろん決してそんな風貌の人ではなく、いつも可愛らしくきれいなカラーで白髪を染めて、淡い色調のニットプルオーバーや帽子をちょこんと頭に乗せた、おしゃれな人。どちらかといえば、小さくてちょこちょこ駆け回るアイドル的な存在なのです。

    協会では花村先生は、漫画家に直撃インタビューして、愉快な記事を作る実務をなさっています。私も、その記事のために、ようやく長い時間、花村先生とお話することになったわけですが、その時の驚きは、文章にするのが難しいくらいのものでした。あっという間に懐に飛び込むふわふわの白ウサギ。そんな感じだったの。世代の違いや、業界における先輩としての貫録などが、よい意味で、全くと言っていいくらい、感じられませんでした。それはもう、「漫画の精神」を体現するような素晴らしいことだと、今もって尊敬を禁じ得ません。上下がないこと、相手をリスペクトすること、本能で感じ取ること。いつも機嫌よく楽しく仕事をすること。漫画を通じて私が教えられたことが、そのまま目の前にあるようでした。

コメント一覧

  • ちばてつや(漫画家)

    それはそれは繊細で可愛らしい「女の子」のままであり続ける“奇跡の人”なんです。

  • 森田拳次 (漫画家)

    陽気な陽気なだめ子さま

  • 竹宮惠子(漫画家・京都精華大学学長)

    あっという間に懐に飛び込むふわふわの白ウサギ。

  • 倉持佳代子(京都国際マンガミュージアム 研究員)

    ポップでおしゃれ!全体のバランスが絶妙なので、今なお全く古びない

  • 辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)

    ためらいがちに性的用語をおっしゃるのが奥ゆかしいと感じ入りました。