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倉持佳代子(京都国際マンガミュージアム 研究員)

  • 倉持佳代子(京都国際マンガミュージアム 研究員)

    良質な色彩感覚!素敵すぎる花村えい子先生へ

    2012年、曙橋駅近くの喫茶店。時間より幾分早く着いた私は、ドキドキしながら、花村先生が来るのを待っていました。自動ドアが開いた瞬間、パァっと花が!ピンク色のショートヘアをした花村先生が店内に入ってきた時、まるで少女マンガのワンシーンのように場が華やいだ気がしました。初対面で緊張気味の私でしたが、親しみのこもった優しい笑顔の花村先生とお話するうち、肩の力はすっかり抜けていました。考えてみれば、私はこの時から、もう花村先生のトリコ!(笑)ご自身の画とそっくりで、チャーミング!それでいて、とっても上品な方なのです!

    先生とのご縁は、京都精華大学で研究を進めている「原画ダッシュ」が始まりでした。原画に限りなく近い複製原画を作り、アーカイブと展示活用を両立させる、といった趣旨のもので、花村先生もご参加いただいたのです。原画ダッシュは、原画と見比べながら、プロジェクトリーダーの竹宮惠子先生と何度も色確認を行います。その際、花村先生の原画の色合わせの秀逸さに竹宮先生と改めて驚いたのをよく覚えています。特に、「赤」の使い方!1960年代の少女マンガのカラーは、子どもにもわかりやすく、「赤」などの原色が使われることが多かったですが、花村先生は、他と一線を画す存在だったのでは?原色同士を組み合わせても、ポップでおしゃれ!全体のバランスが絶妙なので、今なお全く古びないのです。少女たちに良質な色彩センスを自然と植え付けさせたお一人ではと思います。大人向けの雜誌で発表された作品は、それらとはまた違う儚げな淡い色合いですが、ここでも花村流色合せの妙が発揮されています。日本らしい侘び寂びが表現されていて、海外でも先生の画が大人気だったという話もうなずけます。そして、この色合わせの絶妙さと幅広さは、そのまま花村先生を表しているのでは?と思います。

    最後に、先生と私の共通点をお話すると、それはとても食いしん坊なところ。(笑)また、京都のお菓子を持って、遊びに行かせてください!

コメント一覧

  • ちばてつや(漫画家)

    それはそれは繊細で可愛らしい「女の子」のままであり続ける“奇跡の人”なんです。

  • 森田拳次 (漫画家)

    陽気な陽気なだめ子さま

  • 竹宮惠子(漫画家・京都精華大学学長)

    あっという間に懐に飛び込むふわふわの白ウサギ。

  • 倉持佳代子(京都国際マンガミュージアム 研究員)

    ポップでおしゃれ!全体のバランスが絶妙なので、今なお全く古びない

  • 辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)

    ためらいがちに性的用語をおっしゃるのが奥ゆかしいと感じ入りました。